イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
「………ちょっと陽菜……あんた何笑ってるの……」
「っ!!わ、笑ってないよ!///」
いつの間にか、目の前に立っていた家康。
咄嗟に、真っ赤な顔を見られないように、両手で顔を隠そうとしたけど………
家康に手首を掴まれ、手を顔の左右にずらされると、家康の翡翠色の瞳に、バッチリ真っ赤な顔を見られて、目線を泳がせる。
「………真っ赤にして…そんなに面白かったわけ?」
「違うもん……。家康が可愛すぎるからだもん。」
「は?どこが?陽菜がした方が、かわ……っ…!」
「へ?」
家康の言葉に、目線を家康の顔へ向けると、「しまった!」という表情をしていて……掴んでいた手を片方外して、外した手で家康は自分の口元を覆い隠す。
「い、今、何て言おうとしたの?」
「………忘れた……」
プイっと顔を背けるから、家康の顔を見ようと、顔を左右に動かすけど、家康も私に見られないように、顔を動かす。
このやり取りを数回していると………
「二人とも、もういいか?」
「私たちのこと、忘れてない?」
「「っ!?」」
秀吉さんとお姉ちゃんから声がかかって、バッ!と家康から離れる。
「家康さん、陽菜さん。最後の指令、見事でした。では、こちら。約束通り牛乳をお渡しします。」
ラブきゅんミッション対決に勝利した私たち。
今度こそ、佐助くんから牛乳の入った瓶を受けとることが出来た。
「……やっと手に入ったし……疲れた……」
はぁ……と深く息を吐いた家康。だけど、表情が少し楽しかった顔をしているのを、私は見逃さなかった。
「佐助くん、ありがとう!秀吉さんもお姉ちゃんも、お疲れ様!すごい楽しかった♪」
素直に言えない家康の代わりに、私が素直に気持ちを伝えた。
「まだまだ、宝探しは続くから、楽しんでくれ。次の武将のところでも頑張って。では、俺はドロンするよ。」
そう言って、佐助くんは、音も立てずに姿を消した。
「次の武将って……誰のところに行けばいいのかな?」
首を横に倒して、次の武将が誰なのかを、秀吉さんとお姉ちゃんに聞くと……