イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
一方、もう一組の鬼ごっこはというと……
「ちょっと…!止まりなってば……」
「…無理ーっ!///」
陽菜はまだ捕まってない。
「(鼻キスとか、恥ずかしくて出来ない!///)」
もはや、普通にキスしてるのと変わらないぐらい、顔が近づくのだから、人前でできることじゃない!
と思いながら、逃げ回る陽菜。
だが……
「わっ……!」
「…はぁ……捕まえた……。」
家康に手首を掴まれ、すぐに腕の中に閉じ込められた陽菜。
すぐさま、家康と向かい合うような形にされる
「ほら、早くするよ。」
「ま、待って!こ、心の準備がっ!!」
「あのね。そんなの待ってられないでしょ。仮にも今は対決中なんだし」
「(それはそうなんだけどーーっ……)」
対決中なのもわかっている。勝たないと、ケーキの材料も貰えないのもわかっている。
だけど、恥ずかしいものは恥ずかしい!
家康に両手首を掴まれ、恥ずかしさで顔は真っ赤、目線をあちこちへと泳がせていると
「恥ずかしいなら、目……閉じてていいから。」
コクコクと頷いて、すぐに、ギュッとキツく目を閉じた陽菜。
「(……この顔も可愛い……///)」
真っ赤な顔で、キツく目を閉じて、なぜか口もキュッと結ぶようにきつく閉じていて……
家康を欲情させる顔とは真逆の顔だが、自身との『鼻キス』を意識しているのだと思うと、家康はこの真逆な顔でさえ、愛しさを感じる。
ゆっくりと陽菜に顔を近づけていき
ちょん……
鼻同士を触れあわせると
家康はあるものに、手を触れた。