イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
「「…………」」
「……鼻……きす…?」
「何それ。」
その指令内容に姉妹が固まるなか、家康と秀吉は交互に指令内容を読み上げた。
「……秀吉さん、何かわかりますか?」
「いや。全く。」
武将二人がなんのことかを考えていると………
「『鼻キス』とは………」
「「っ!?」」
いきなり背後から声が聞こえ、驚く家康と秀吉。振り向けば、佐助が眼鏡を指で押し上げていた。
「『鼻キス』とは、鼻と鼻同士で口づけをすることです。」
「鼻同士で口づけ?」
「そうです。本来の口づけは、唇を重ね合わせることですが、それを鼻同士ですることで、『キスされるんじゃ?』というドキドキ感、さらに萌もキュンも味わうことができる、ラブ行動です。」
「途中から何言ってんのか、わからないんだけど……」
「要するに、鼻キスは、口づけとはまた違った、ときめきを感じれるんです。」
「ふぅん……」
「まぁ、やればいいだけだろ。」
「そうですね。……陽菜……あれ?」
武将二人が、恋人たちの方へ向くと、真っ赤な顔で、逃げ出した姉妹。
妹は立て札の方へ、姉はその反対側へ……
「ちょっと!陽菜!?」
「おい!?香菜も!なんで逃げるんだ!」
「「恥ずかしいからだよーー!!///」」
姉妹の叫び声を聞きながら、追いかける武将二人。
「(……人によっては、キスより恥ずかしいって聞くけど……本当なんだな…)」
その光景を、佐助は冷静に見ていたのだった。