イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
「………陽菜…。しっかり掴まってて。」
「へ?……きゃあっ!?ち、ちょっと!?///」
ふわっと突然の浮遊感。それに驚き、咄嗟に家康の首にしがみつく。
「(な、な、なんで、人前でこんなこと!?///)」
何故かいきなり、家康にお姫様だっこされた。
その状況に、頭は軽くパニック。
「陽菜、ちゃんと掴まってて。橋まで走るから」
「え?穴だらけなのに…?」
「うん。」
家康は返事だけすると、橋に向かわず、何故か池に向かって歩くと……
「え?」
急に視界が少しだけ高くなる。顔を少し動かし目線を下げると、
「……石……の、上?」
「そう。暴れないでよ。池に落ちたら面倒だから。」
「へ?落ち……わっ!?」
いきなり走り出した家康。それに驚いて、しがみついていたのを、さらにぎゅっとしがみつく。
「へぇ。石の上か……考えたな。」
「さすが、家康公。素晴らしい判断力です。」
秀吉さんと佐助くんの声を聞きながら、家康の考えに納得する。
池の周りを囲っている石の上を移動すれば、穴を気にして、ゆっくり進む必要もないから、一気に橋まで行けることができる。
「(家康……かっこいい…///)」
家康の洞察力、判断力に、感動して、胸がきゅんと高鳴る。
家康のかっこよさに見惚れていると……
ヒュゥゥゥ………
佐助くん特製癇癪玉が、私たちに向かって降ってきた。