イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
「あらゆるものから…?それって、こういう穴ってこと?」
「そうですね。あとは、何かが飛んでくるかもしれませんし……まぁ、いろいろです。」
佐助くんは、縄を取り出して、穴に落ちた秀吉さんとお姉ちゃんを助けながら、説明してくれる。
「(いろいろって……一体、どんな罠があるの……)」
「なら、走るより慎重に進んだ方がいいね。陽菜、一回、手を離すよ。俺の後を付いてきて。」
「うん。わかった。」
指令中なら手は離してもいいと、佐助くんが言っていたから、一度家康と手を離す。
家康は走らずに歩いて前を進んでいき、私も家康のあとをゆっくりと付いていく。
後で秀吉さんの「助かった…」という声が聞こえ、振り向くと、秀吉さんもお姉ちゃんも、落とし穴から脱出できて、ゆっくりと進んできている。
慎重に進んでいるからか、とくに何も起きず、池のまわりを半周ぐらいしたところで
「皆さん、そろそろあらゆるものを登場させます。」
どこからか、聞こえた佐助くんの声。
キョロキョロ顔を振って、佐助くんの姿を探すが、姿は見えない。
すると……
「家康!陽菜!走れ!!」
秀吉さんの声に、家康と後ろを振り向くと……
「なっ!?」
「えっ!?」
大慌てで走ってきている、秀吉さんとお姉ちゃんと……
その後ろから、何かを投げつけながら追いかけてくる佐助くんの姿。