イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
「ふふ♡秀吉さん、無事に突破出来たよ♪」
「そ、そうだな……///」
動揺を隠しきれない秀吉さん。佐助が横にずれて、その横を、香菜に引っ張られながら、フラフラした足取りで、橋を渡りきる。
「(あれを、陽菜が……?)」
ちらっと陽菜の方を見ると、俯いて顔は見えないが、赤くなった耳だけが見える。
「(かなり恥ずかしがって……この様子じゃ、無理なんじゃ?)」
かといって、指令も変更出来ないだろう。どうするか考えようとしたとき
……グイ!
「!?」
左手は陽菜と繋いだままで、陽菜の反対の手が俺の二の腕部分にまわり、陽菜の方へと引っ張られると
ふぅ~………
「………い、え、や、すっ……///」
「~~っ……!!///」
陽菜の吐息が左耳にかかり、小声でゆっくりと俺の名前を言った瞬間、身体の熱が顔と左耳に一気に集中し、尋常じゃないくらい、熱くなる。
勢いよく顔を離し、繋いでいない右手で、自分の顔をできる限り隠す。
「(い、今のはさすがにっ…!///)」
部屋なら、確実に押し倒しているところだ。
外で良かった。と心底、安心した。
「そんなに、照れないでよ……///私の方が恥ずかしいのに……///」
「いや……俺だって恥ずかしいんだけど……///」
うっすら耳元に残る、陽菜の吐息と声の余韻。
それだけで、バクバクと煩く騒ぎだす心臓。
なんとか、正常に戻そうと、呼吸をすると
「はい。家康さんと陽菜さんも、見事、突破です。」
佐助の声で一気に正常に戻った。