イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
二組同時に走り出し、まず先に橋に到着したのは…………
「陽菜、大丈夫?」
「……うん!…大丈夫!」
家康と陽菜ペア。
普段から、暇さえあれば鍛練をしている家康。
現代では看護師というハードな仕事、そして戦国時代では、織田軍の世話役をしている陽菜。ほぼ毎日、全員の御殿を歩き回っているので、足腰がしっかりしてきたようだ。
「どこでどんな指令が出るかわからないから、走れるときに走っとくよ。」
「うん!」
橋に足を踏み入れると、一気に橋を渡る、家康と陽菜。
だが………
「最初の指令です。」
「っ!?」
「わぁっ!?佐助くん!?」
もうすぐで橋を渡りきるというところで、佐助が急に現れ、二人は足止めされる。
「こんなところで指令って……早く言って。秀吉さん達が来る。」
「わかりました。えっと、最初の指令は……っと。」
懐に手を入れゴソゴソと手探りで探す佐助。懐から一通の文を取り出し、広げると、佐助はその内容に目を通し……
「申し上げます。最初の指令は……
『彼女が彼の耳元に吐息をかけ、彼の名前をゆっくりと、色っぽく言う。』
です。」