イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
「では、俺から勝負の概要を説明します。」
その声に、全員が佐助の説明に耳を傾ける。
秀吉と香菜ペア。家康と陽菜ペアの二組に分かれて、池にかかる橋を渡り、池の回りを一周し、また橋を渡って、先に立て札の場所にゴールし、立て札をタッチしたペアが勝者。
その途中で、数々の指令を、二人で協力しながら遂行していき……
見事、秀吉たちに勝てたら、ケーキの材料に必要な『牛乳』を手に入れることができる。というもの。
「内容はわかった。でも、その指令って秀吉さんと香菜が考えたものなんじゃないの?」
「その辺はご安心を。二人には、家康さんたちと、こういう勝負をしてもらうことしか伝えていません。なので、指令内容などは何も知らないです。」
「……まぁ、別に知ってても構わないけどね。勝つのは俺たちだし」
「おっ。言ってくれるじゃねーか。」
またもや、バチバチと火花を散らす武将二人。
「盛り上がってきましたね。では、あの立て札が立っている場所が、始まる地点であり、到着地点です。二組とも頑張ってください。」
四人とも立て札のところまで移動し、立て札を間に挟み、二組が並ぶ。
「家康!一緒に頑張ろうね!」
「秀吉さん、私たちも頑張ろうね!」
愛しの恋人からの、満面の笑顔で「頑張ろう」の言葉に、男たちのやる気もさらにヒートアップ。
「では始める前に、緒注意を。対決中、指令以外のときは、必ず手を繋いでいてください。」
「は?」
「おう。わかった。こうか?」
家康と秀吉とで真逆の反応。佐助に言われたとおり、するりと香菜の手に触れ、恋人繋ぎをする秀吉。
そのスマートな行動に、香菜の頬は赤みを帯びる。
一方、家康は………
「(なんで人前で、手を繋がないといけないんだよ……)」
秀吉と違い、陽菜と手を繋いでいない。