イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
広間を出て、陽菜と中庭に着くと……
「やっと来たか。」
「二人とも、待ってたよ~♪」
安土一の人たらしの秀吉さんと、その恋仲で陽菜の姉の香菜が居た。
昨日まで中庭に無かったはずの、妙な立て札の前に立って………
「最初は秀吉さんとお姉ちゃんなんだねっ!」
「なんで、こんな寒い日に中庭なんですか……しかも、この立て札なんですか……」
安土城敷地内と言っていたから、てっきり安土城の中だけだと思っていたのに……まさか外に出されるとは……。
そして、この立て札。大きく赤い丸が描かれている。
「まぁ、ちょっとな。中庭の方が都合が良かっただけだ。」
「……そうですか。」
木、池、橋がある中庭。確かに物を隠したりするには、ある意味うってつけの場所だろう。
「で……この広い中庭に隠されてる何かを、虱潰しに探せばいいんですか……?かなり時間かかりますけど…」
「いや。探すんじゃない。」
「は?」
「え?」
秀吉さんの言葉に、陽菜と声が重なる。
「俺と勝負して、俺から奪い取るんだ。」
そう言うと、珍しく不敵に秀吉さんは笑った。