イケメン戦国『プレゼントを探せ!~徳川家康誕生祭~①』
第5章 プレゼントを探せ!~三十日、辰の刻~
「まずは、家康さん。一日早いですが、お誕生日おめでとうございます。そして、今から、織田軍武将with佐助プレゼンツ、宝探しを開始します。」
「は?伊豆?ぷれ……?」
「えっ、えっと…信長様たちと佐助くんによる催しものみたいなもので……」
陽菜が慌てて佐助の言葉を解説していると……
「簡単なことです。安土城敷地内に、織田軍武将たちがあちこちにいて、お宝を隠しているので、武将からの指示に従って、隠されたお宝を陽菜さんと一緒に探してください。」
「……ちなみに宝って何なの?」
「はい。ケーキの材料です。」
「へ?材料?」
思わず、間抜けな声をあげた陽菜。
昨日、宝探しを信長から聞いて、てっきり武将からのプレゼントを探し出すものだと思っていたが、どうやら違うみたいだ……
「そうだよ。陽菜さん。ケーキに必要な材料をそれぞれが用意して隠しているんだ。それを探しだしてくれ。」
「わ、わかった……」
コクコクと陽菜は頷くと、佐助は懐から文を取り出し、家康に渡す。
「まずは一人目の武将の居場所が書かれた紙です。」
カサリ……と開くと……
【中庭に向かえ……】
「……ここに行けば、誰かがいるわけだね…。」
「そうです。着いたらそこに居る武将の指示に従ってください。では、今から宝探し、スタートです!」
バァァンっ!!!!!
「「!?」」
佐助は懐から癇癪玉を取り出し、畳に投げつけた。
あまりの音の大きさに、二人は耳を塞ぎ、目を閉じる。音が鳴りやんで、そっと目を開けると、佐助の姿はもう無かった……
佐助の癇癪玉により、宝探しが開始したことを織田軍武将たちに告げられた。