第4章 小話
01
尾張に帰って数日。皆様、私が帰って来たのを喜んで。
お客様が来たのだけど。
「にょほほほ、そちが宗三左文字か、まこと雅でおじゃ!」
義元様、せめてすっぴんで来て下さい・・・
宗三さんショックで一歩引いてたから。
「あ、主?まさかこの方は・・・」
「・・・今川義元公、ね」
宗三さんの質問に素直に答えたらガックリとOrz状態になって。
えーと、まず
「義元さま、化粧取りません?」
「・・・その方が良さそうでおじゃるな」
あ、やっぱり?って顔しないで下さい。
ちょっと宗三さんを宥めつつ、隣の部屋に義元さまは入って行って。
「あ、あの、主?」
「大丈夫だから、ちょっと落ち着こうか」
物影から江雪さんと小夜が見てますよ。
兄さま大爆笑だけど。
「済まぬな信長殿、部屋を借りて」
「是非もなしぃ」
「・・・え!?」
再度出てきた義元さまに、宗三さんが2度見したよ。
美貌の破壊力凄いですものねー
「混乱させて悪かったな、私は今川義元。改めて挨拶させて頂きたい。宗三左文字」
「あなたは・・・同一人物なのですか?」
「訳あって普段はあの様な姿をしているだけなんだ」
はっはっはと笑って、義元さまが宗三さんの頭を撫でる
宗三さん、目を見開いてるけど此れがこの方の通常運転だからね?
ちょ、ついでに私の頭も撫でないで下さいっ
「宗三さん、大丈夫?」
「驚きましたが・・・再び、今川殿と会えて嬉しいです」
まあ、君達の記憶の人物ではないけど
光忠と倶利伽羅みたいに政宗に親近感を持つのと同じ様なものなのかな。
「此れからも其方の主、市姫と仲良くしてやってくれ」
「は・・・はい」
物影に居る江雪さんと小夜が、胸を撫で下ろしてるけど。
大丈夫?君たち。
兄さまはその2人を見て笑ってるんだけど。
仲が良いってことは、良いことですよね
今川さまの本来の姿に、宗三さんは滅多に見せない
満面の笑みを浮かべてました。
うん、不安がってたけど。嬉しそうで良かった。