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審神者になった華

第4章 小話


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歴史改変軍と、検非違使達との戦いを抜けて・・・私の、審神者としての仕事は一段落したのだとこんのすけくんから告げられ。気になった事を聞いてみた。

「付喪神になった、皆はどうなるの?」

人の姿に成って初めて感じた想い、感覚、感情…思い出は?

「不憫ではありますが一度付喪神になってしまった者はまた再び刀に戻るという事に」

その言葉を聞いて我が家の子達の表情が「いやだ」「戻りたくない」と
悲しそうな言葉でいっぱいになって

「こんのすけ君」
「はい市さま」
「全員、ここの歴史とは全く関係の無い。市の城に連れて帰っちゃだめ?」
「え?!」
「主…」
「こんのすけ君、考えて?勝手な人の手によって人の形に成って。思い出も全て消されるこの子達の気持ちを」

私の言葉にこんのすけ君が目を見開き。話を通してみてみますと言って消えて

「っあるじぃ…」
「あ、主様…」
「清光、五虎退おいで」

離れたくない、と泣き出す子達を皆呼び寄せて。抱き締めた

「嫌だよ!もう、主が居ない想いなんてしたくない・・・!」
「嫌ですっ僕も、嫌です!」
「大丈夫、市は皆を泣かせる事。したくないもの」

泣いても良いの。人になって初めてできた感情なんだもの・・・ほら、皆も無理して顔を背けたり。肩を震わせないで。

「主…」

背後から長谷部が、抱き締めてきて。
泣いているのね。声が震えて。

「皆は、元に戻りたい?市と行く?」

皆の答えは全員、後者に頷いて。
色々、ここであった思い出を持ったまま、そうか。存在が消された子もいたっけ。
想い想いに、声を殺して、涙を流す者も全員1度抱き締めて

私と行きたい。皆の言葉は一致している。

問題は未来の、上の者がどう判断するか、だね。
声を殺して、涙を流す長谷部の頬に唇を落としてから抱きしめる。

この子達はただの刀じゃないの、未来の人が勝手に付喪神にさせて
さんざ振り回したんだから。この子達の未来はこの子達が決めて良いんだと思うけど?

「姫様、信長公に報告をして参ります」
「黒羽、雹牙お願いね」
「「御意」」

姿を消した2人を見送って。

どうか、この子達の存在を消さないでと、祈るばかりだった。
その日は、大広間で全員分の布団を敷いて皆一緒に寝る事にして。
最後かもしれないと不安は大きいけれど。
泣く子をあやしていたら、朝になってしまった。
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