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審神者になった華

第3章 本編40~56【完】


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「我は安芸の大名、毛利元就。この本丸の審神者をする事になった」

元就の名前を聞いて、集まった刀剣達はざわめく
まさか戦国の武将が審神者に就任するとは思ってもみなかった。

「毛利公、宜しいか」
「何ぞ、一期一振」
「そちらの、友人殿も審神者で?」

美しい女性に美丈夫な男性に視線があつまり
近侍であろう者と頭を下げる

「織田信長が妹、市です。近侍は膝丸と数珠丸、普段は長谷部が近侍なの」
「織田信長だと?」
「え、信長様の?」

市に反応したのは長谷部と不動
やっぱりなぁと市は苦笑いで

「俺は出雲の尼子晴久。元就とは義兄弟。それと、俺達はお前達の知る世の武将じゃない」

晴久の言葉に近侍の三日月、光忠も頷く
異世界の毛利、市、尼子と聞いてこの本丸の刀剣達が驚きの顔に

「俺は・・・黒田に下げ渡されていない?」
「信長様も光秀に殺されて無いの?」
「私も、再刃されてないので?」
「後々ゆっくり話す、静まれ!」

ざわざわと動揺が見られる刀剣達に、後々思いやられるなと元就は
深い溜め息を吐き、全員を見据える。

「暫くは其方等に休養を与える、各々英気を養い出陣、遠征に備えよ」
『はっ』

では解散、と。刀剣達に休む様に命じた元就は
執務をするかと立ち上がり

「俺等も帰るか」
「そだね」

次は遊びに来るねと去って行く2人に手を振り
さて、近侍を誰にするか・・・

元就が執務室で悩む姿を遠巻きに見てる者に手招くと
驚いた様に気配が揺れて

「一期一振、不動、何用ぞ」
「・・・やはり気付かれておりましたか」
「聞きたい事があるのであろう、其方2人を近侍とする」
「俺が近侍?」

動揺する不動を一瞥し手招くと、心なしか嬉しそうに
2人は執務室に入って来た。

豊臣に渡した一期一振と織田の不動か

暫く面倒な事になりそうだな、当面市に手伝ってもらうかと
教わったメールで市に救援を送った。

涼し気な表情で端末に向かって仕事をする元就に

隠れてた短刀や刀剣達は、今回の主はどのような人物かと陰から伺った。
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