第3章 本編40~56【完】
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ゲートをくぐって直ぐ、元就の壁が展開されてて驚いた
キィンと金属を弾く音に目を向けると怒りの形相の男が元就を睨み付ける
いや、元就の手に居るこんのすけに、かな
こんのすけはビクビクと怯えて元就の腕の中で丸まってしまった。
それを一瞥して目の前の愚かな男に
元就の鋭い目が向いた
あ、あれ心底キレてる時の目だ。
慌てて元就の腕からこんのすけを回収して
私の腕の中に収め、震える小さな体を撫でて落ち着かせる
「ハッ!多勢に無勢とはこの事じゃねえか!おい管狐!いつ俺の審神者の能力を奪いやがった!!」
「とうに任を解かれていたのにも気付かず、刀剣からの信も消え失せた其方の能力の無さよ。貴様の審神者の能力は既に我に移っている」
「ふん、武将みてえなナリしやがってまず手前から殺・・・」
男が全てを言い終わる前に元就は一瞬の隙を見て男の首と胴体を斬り捨て
すぐさま審神者の能力を使い空気を浄化し、ボロボロだった本丸を修復させた
流石元就、仕事が早い。
「武将みたいな成り?愚かな、我は武将ぞ」
出てこい、と言葉をかけるとぞろぞろとボロボロの刀剣達が現れ元就は顔を顰める。
近くに居た前田を手で招き、頭を撫でてやると驚いた様に目を見開く
「湯あみをしてこい、兄達を率いるのは前田に任せる」
「・・・っはい!」
「今剣、其方もぞ」
「はーい、まかされましたー!」
てきぱきと元就の指示により刀剣達が動く中で
「僕ちょっと厨を借りてお茶淹れて持ってくる」
「私も周囲を回って見てきます」
光忠と数珠丸が離れ、元就はこんのすけに案内されて執務室に到着し
さて、どこまでお仕事やってたのかなあの男。
私が端末を調べてる間に、晴久の婆娑羅だろうか
風が本丸の空気を突き抜けて行った。
「・・・俺この為かよ!?」
「ははははっ!」
晴久の一言に近侍の三日月さんが大笑い。
まあ、それの為だけじゃないけどね
三日月や膝丸の楽しそうな声に警戒してた子も出てくるでしょう?