第3章 本編40~56【完】
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「兵法三十六計、借刀殺人ぞ」
「おい義兄上、それ俺等要らねえじゃねえか!」
「元就、上屋抽梯でも良くない?」
「俺は反間計でも良いと思うがね」
「まあ、何にせよ敵の審神者を無力化させれば良い」
元就、元就、兵法崩壊しております。
まあ、今回簡単だからいいけどさ・・・私達巻き込まなくても・・・
長谷部凄い来たがってたけど
自分で遠征のスケジュール組み込んでたから渋々行きました。
なので私の近侍は数珠丸、膝丸。
晴久は光忠と三日月で
あれ、レアたくさんおるねぇ
晴久の本丸で件のこんのすけくんを待ってる間
出陣前とは思えないのんびりモードでお茶を啜っていると
ゲートが開きころりと転がってきたこんのすけに驚いて目を見開く
「おい、大丈夫か?血だらけじゃねえか」
「申し訳ありません・・・いつもの事です」
「光忠!手当てしてやってくれ」
「あ・・・うん!」
驚いた、何なの?そこの審神者
こんのすけまで危害を加えるってどういう事?
綺麗な水で血を流してから手当てする光忠と晴久を見ていたら
すっと目を塞がれて・・・元就?
「もとなり?」
「怒りは最もぞ、婆娑羅が暴走しかけておる、少し呼吸を整えよ」
「うん・・・」
やばい、暴走しかけてたか。すーはーすーはー深呼吸して
落ち着く様に闇の婆娑羅を落ち着かせると元就の手は離れて数珠丸に撫でられた。
「大丈夫ですよ、皆さんいらっしゃいます」
「ああそうだ主、怒りはこれから攻める審神者に向けると良い」
「うん」
晴久はこんのすけの手当てを済ませると元就に渡して
己の刀を戦装束にカチリと装着。
刀剣達も刀を確認して・・・何と言うか殺る気満々です。
「こんのすけくん、君はもう元就の管狐として再登録されたんだよね?」
「はい、そうです。政府の意向で完全に本丸も元就様の物へと移行しております」
「刀剣男士達への説明は?」
「済んでおります、知らぬのは前任のみとなっている状態ですが・・・その、」
「腕が立つ故誰も追い出せなんだな?」
「はい・・・」
元就の言葉に俯くこんのすけの毛並みを堪能する様に
手がこんのすけの頭を撫で。
さっさと行くぞと目線を向ける元就に頷いてゲートを7人でくぐって行った。