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審神者になった華

第3章 本編40~56【完】


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気付いたら晴久の背で庇われて端末のパネルは全て真っ赤になり緊急のアラーム鳴って居た

晴久は己の刀を抜こうとするが赤いホログラムで施錠され
「やっぱりか」と、呟く。

ガラスを割って入ってきた敵は甲種
この量では市の婆娑羅でも飲み込めないだろう

「市、飲み込める量になったら直ぐ様飲み込め」
「うん」

晴久は婆娑羅を纏わせ光忠、宗近と共にクナイを短刀の要領で握りしめ
膝丸も続いて駆けて行った。


「ひっ」

突然現れた歴史遡行軍によって刀が抜けない近侍が吹っ飛ばされ
窓際に居た審神者達は半ばパニックを起こし奥へ逃げて行く
逃げようとした時に、歴史遡行軍が目の前に現れ

もうだめだ、と言う時に一陣の風が吹いた
同時にその風は審神者を襲おうとしていた歴史遡行軍の首を地面に転がす。

何が起きたのか、目を見開くとさっき端末で見つけた名前

戦国武将の尼子晴久が皆に指示をし素早く傷付いた審神者や刀剣達を安全な方へ移動していた。

「素手でも戦える刀剣は手を貸せ!ある程度の量になったら直ぐ様市が飲み込む!」

近寄って来た歴史遡行軍をクナイで斬り裂いて
近侍だろうか、膝丸、光忠、三日月もクナイで応戦していた。

岩融や器用な槍も素手で応戦

「危ない!」

尼子晴久公の背後から攻撃しようと太刀が構えた時だった
地面から黒い手の様なものが歴史遡行軍を飲み込んで。

訳が分からないまま呆然としていると
くすくすと笑う美しい声

尼子公が声の元に振り向いてにっと笑う

「市、存分にやれ」
「ふっはははははは!!」

笑い声に振り向くと高笑いするお市様。
その足元からは真っ黒い闇から黒い手が伸びて

窓際に居た歴史遡行軍を食らい尽くしていた。
見たところ、他の者には被害は行ってないのを見ると
無差別って訳じゃないのか。

「市、大丈夫か?」
「うん、全然大丈夫だけど」

範囲内に居ないと中々飲み込めないや、と話すこの方達は

自分の知ってる戦国の世の方じゃないみたいだ。
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