第2章 本編20~39
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「よもや覚悟は出来ておるだろうな晴久、終わったら只じゃおかぬぞ」
「悪かったって、義兄上。市から菓子を貰ってきてる」
市からの菓子、其れを聞いた元就はぐっと文句を堪えた
市の作る甘味はどの店よりも美味い
晴久が執務の助っ人として連れて来たのは安芸の詭計智将。
彼の者登場に本丸の刀剣達は驚き目を見開いた。
「おお、毛利元就公。久しいな」
「其方は三日月宗近か」
晴久がここに来た時よりも割りと良い顔をしているなと、見て思う
さて、前任の使えぬ審神者はどれだけ執務をしていなかったのか
資料を見て行くとどんどん元就の眉間に皺が寄る
「基礎からではないか!」
「な?量がハンパ無いだろ?」
ぽん、とこんのすけが様子を見に来て
進歩はどうかと聞いて来たのを元就がアイアンクローをキメてこんのすけが悲鳴を上げた
「いだだだだだだ!毛利公痛いですううううう」
「貴様等は審神者を選ぶ時、どういう基準で判断している!!前任の審神者は全く使えて無かったではないか!」
「ええええと、実は前の審神者は政府の者が選んだので私にもさっぱりいいい!」
「・・・何してるの元就」
ふと気付いたら近侍を連れた市が呆れた様子で声を掛けてきて
こんのすけは一瞬元就の力が緩んだ隙に市に飛び付く。
「市姫さまああああ!」
「こんちゃん、よしよし。晴久、進み具合どう?」
「前任の審神者がまーったく仕事してなかったみたいだな」
「うわあ」
手伝うよ、と執務室に入り
同じ端末を繋げて3人で数年分の仕事を黙々とこなす。
三日月はその様子を面白げに眺め
「何だよ宗近」
「なに、審神者が仕事をしているのを見るのが珍しいだけだ」
ま、3人で一刻もすれば前任分は出来るだろ。