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審神者になった華

第2章 本編20~39


37

前を見据えて晴久は全員に向かって頭を下げた

「俺は尼子晴久。市とは幼い頃からの縁でな
ここの審神者を任される事になった。よろしくな!」

市とは幼馴染みと聞いて安堵し刀剣達に自然と笑みが零れ

「チビ達!市の所に遊びに行くのはいいけどよ、門限は守れよ」
『はーい!』
「近侍は、そうだな。最初に会った燭台切光忠と・・・」

近くで虎を抱きながら不安そうに見る五虎退を見るとびくりと肩が跳ねるのをみて
晴久はによによと笑いながら手を招いて呼ぶ

「?」

ちょこちょこと近付いて来た五虎退を抱き上げて膝に座らせて
五虎退の頭をわしわし撫でると照れ臭そうに笑った。

「五虎退、お前に近侍の1人を任せていいか?遊びに行く時は外れていいから」
「ぼ、僕がですか?」
「短刀にしか分からない悩みとか集めてくれると助かる」
「は、はい!僕頑張ります!」
「良い返事だ」

わしわしと五虎退を、弟の様に構い倒してから解放すると
髪がくしゃくしゃのまま、笑顔で一期さんの所に行って
誇らしげに一期さんに撫でられてた

「最後は三日月宗近」

晴久の言葉に、全員が止まり息を潜めた
ここの三日月宗近は前審神者を殺している

三日月宗近自身はおや、と驚いた様子で

「良いのか?審神者殺しの俺が近侍で」
「宗近、お前この刀剣の中で一番俺を信用していないだろ」

その言葉にすっと三日月宗近の目付きが変わる
図星と言う事か

「ようも見破ったな尼子公」
「もし俺に疑問を抱いたり信用成らないと思ったら手合わせでも抗議でも愚痴でも言え」

俺を主と信ずるまでゆっくり確かめろ
にやりと笑う晴久に緊迫した空気は治まり
鶴丸も一期さんも面白そうに晴久を見やる。

「取り合えず城に戻って部下にこの事を話さないとな」

政務も持って来なきゃと頭をかく晴久に

「近侍の俺達も行こう、何。護衛を兼ねたものだ」

三日月宗近の言葉に、光忠と五虎退も嬉しそうに頷いた。

話も進んで、料理当番に光忠、歌仙、薬研が挙手し
各当番は日によって変え

あと必要な事があったら審神者に聞くと言う事で納まった

お開きってとこで晴久に興味を持った短刀は晴久にわしわしと撫でられながら
質問づくめで。
近侍を連れた晴久は一旦城に戻り
政務や色々抱えて持ってきたそうな。

「コイツらに何かしてやりてえな」

自慢の友人はそう言って笑った
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