第2章 本編20~39
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ほてほてと本丸から離れた所まで散歩にきました。
今日は長谷部は遠征なので近侍は石切丸と太郎さんと膝丸
暫く歩いていたら見慣れぬ建物が見えてきて
「あれ?ここは?」
「他者の本丸の様ですね」
「でも・・・」
審神者の気配が全然しないのに付喪神の気配はする。
どういう状況なんだろう?
「あまり敷地内に入らないほうが・・・って主殿!」
「ごめんくださーい」
「石切丸殿、主に何かあれば遅い。傍に居ましょう」
「主、中に近づいては危ない」
誰も居ないのかな、でも気配というか、影からの視線が痛い。
何と言うか・・・瘴気と殺意が満ち満ちてる?
膝丸が慌てて追い付いて来て私の手を握り
「主、何があるか分からないのに易々と近付くモノではない」
「・・・ごめんなさい」
むぎゃー、膝丸から軽い拳骨食らった。
膝丸を見て、なのか。気配が動き1人
ボロボロで手入れがされてないのか、岩融が姿を現せた。
「貴様等は何者か!」
「お前は岩融か。俺は膝丸、知らぬとは言わせんぞ」
「膝丸、膝丸。きっと市が誰かって聞いてると思うの」
彼の腕をぽすぽすと叩いて宥め
岩融の方を向くと、奥の方からも視線が刺さる
「ちょ!?主殿!」
「「主!」」
手入れのしてない庭の、雑草が生い茂ってる場にぺたんと正座して座って頭を下げる
「織田信長が妹、市です。審神者をやらせて頂いてます」
私の行動に、予想外だったのか皆ぱちくり
「あ、ああ。俺は岩融だ」と動揺してる姿が可愛いなおい。
「織田信長の妹だと?」
またもここの刀剣、ボロボロの長谷部が驚いた風にこっちを見て
その前に。主が地べたに座るなと膝丸に抱き上げられた?
「ここには審神者は居ないの?」
核心を突く質問に、ここの纏め役をしてるのか
三日月宗近が出たと一緒に他の子もボロボロな姿で出て来て
「数年前に斬り殺したぞ」
「そう、じゃあ色々質問」
「・・・何だ?」
審神者を斬り殺したと言う三日月の質問に顔色1つ変えぬ市に
三日月は内心驚く
「掃除はしてる?資材はあるとみてるので」
にっこりと市は笑って
「刀の手入れしましょうか」
着いてきた3人は、やっぱり・・・と苦笑いを溢した