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審神者になった華

第2章 本編20~39


29

ダラダラと同じ様な事報告しても仕方無いので
端折ります。
短刀達が活躍するエリアから小さい子達が面倒臭そうな
雰囲気を漂わせる青年を連れて来ました

「どうもすいまっせん、明石国行言います」
「宜しくね」
「・・・」

飄々としてるけど、この子腹の底に何か溜めてるわね
国行が部屋で寛いでる時に、思い切ってお邪魔させて頂きます!とスパーンと襖を開けた

「びっ・・・くりした、姫さんかいな」
「突然ゴメンね、お話少し良いかしら?」
「・・・どぞ」

警戒するように放たれた言葉が、チクりと私の胸が痛む

「どうして、三条大橋に居たの?」
「・・・別に」
「蛍丸の為?」

その言葉に、何で・・・と言いながら目を見開いて
太平洋戦争で、日本は刀狩りに合い蛍丸含め多くの刀剣が海に放棄された。

「アンタにっ!何が分かる?!蛍丸は何もしてへん!なのにっ・・・」

国行の周囲に黒い霧が掛かってきて
あら、闇落ちしそう。と思った瞬間、国行を強く抱き締め頬にキスをし
宥める様に背中を撫でる。

「ここの本丸にね、蛍丸居るのよ?」
「え・・・」

縋る様に私を見る国行は、今にも泣きそうで
そうねえ・・・

「蛍丸と国俊、最初は"あれ?国行居ないの?"って文句垂れてたわよ?」
「蛍丸、国俊・・・」
「あなた達の世の蛍丸は消えてしまうかも知れないけど市の世は違うかもしれない」
「何で、そう言えるん?」

何で、かぁ
豊臣さまの所に一期さんは居ないし、長谷部はうちに居るし、三日月さんは足利さんの所にずっと居るし。
あれ、いっぱいズレてるなあ

そう言ったらきょとんと、あら可愛い顔

「婆娑羅者なんて、市の世にしか居ないわ」

もしかしたら太平洋戦争自体無くなるかもねと
安心させようと笑ったら、ん?何か顔赤い?

「ひいさんズルいですわ、そんな綺麗に笑われたら」
「ん?」

ぐいっと顎を掴まれて唇をペロリと舐められた

「其処に居る長谷部に宣戦布告したる。ひいさん、ありがとうさん」
「~~~~っ!」

ちょ、唇ペロリって狡い国行~~っ

「蛍丸にチクってやるう」
「あ、それ堪忍して!」

いつの間にか黒い霧は無くなってて
国行に笑顔が戻っていた。
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