第1章 本編00~19
私の脳内はパニックなう!
兄さまから貰った刀が噂(?)の付喪神になったよー!?
「あなたは、だあれ?」
跪いていた彼はすと立ち上がると私と黒羽に一礼
「へし切長谷部と申します、信長公から主を守る様にと仰せ仕りました」
「へし切り長谷部、信長公が大切になさっていた打刀では・・・」
何とまあ、兄さままさかこれを予測して持たせてくれた!?
現代だったら国宝よこの子!やたらイケメンだな。
ちょっと、帰ったら思いきりお礼言いたい
私達が呆然と見てたのが不安だったのか、綺麗な淡い青紫の瞳が揺れる
「あの、俺は必要ありませんか?」
しまった!刀が人になる瞬間に感動して放置してた!
私ってばアホだなぁと思いながら
白い手袋をはめた彼の両手を抱きしめる様に取った
「ごめんなさい、人の姿になったのに驚いたの。
これからも市を、宜しくね?」
「!はい、主命とあれば何でも致します」
彼の、端正なお顔が嬉しそうに笑った。
「姫様、良かったですね」
「うん」
嬉しくて長谷部さんにぎゅうぎゅう抱き着いてたら黒羽が困った顔になって
「いつもの様に振る舞っては彼が困ってますよ」
「あ、ごめん。癖で・・・」
「いえ、慣れていないだけですので平気ですよ」
じゃあ、慣れるまで最初は手をつないでおこう。根本的に違う?スキンシップは大事なのだよ!
黒羽と雹牙はもう慣れてるし。
「さて姫様」
「ん?」
「本丸を探しましょうか」
「あ」
すっっっかり忘れてた!ごめーん!
照れ隠しににこっと笑ってみたけど付き合いの長い黒羽はともかく雹牙だったら呆れた視線攻撃が来ます。
まあ、黒羽も内心「やれやれ」的になってると思いますが。
ふと慣れた気配が近付いて来る。
「お市様、少し離れた所に建物を発見し・・・誰だそれ」
「兄さまから戴いた刀」
長谷部さんの手をぎゅうと、子供みたいに繋いでたら雹牙に「慎みを持て」と小突かれた。痛い。
まじでキミはとーちゃんか。