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審神者になった華

第1章 本編00~19


01

私達、部屋に出来てた入り口に飛び込んだはずよね?

目の前に広がるは緑の茂った大草原。
来たはずの方向、後ろを見てもアラ綺麗な景色

「来た道がありませんね」
「こんのすけ君、間違えたのかな?」
「辺りを見てくる、奴の行っていた本丸があるやもしれん」
「うん、気を付けてね」

フッと雹牙が姿を消した後、歩ける程度に散策をする事にした

あ、兄さまから貰った刀…うん、しっかり持ってた。
無くさない様に大事に持ち直して、さくさくと進んでいたら

「姫様」
「何か変な感覚。なにか来る」

遠くに見えるは人魂の様なソレ、感覚が良くないモノだと言っている

不安定に揺れたかと思ったら
武器を持った、姿が独特の骨の魔物に変わっていった。

「太刀、脇差し、短刀を所持していますね、件の刀剣ではなさそうですが」
「きっとその子等と対峙する敵…」

二人で目を合わせ頷いたあと、向かって来る敵に
黒羽は婆裟羅で作った武器を、私は闇の手を出して薙ぎ払った。

「1…2…3…4…5これで全部?」
「結構しぶとい魔物でしたね」

破壊した武器を数えて考える。
魔物は破壊したら只の折れた残骸になるのか…

こんのすけ君の言っていた刀の付喪神も気を付けなければ死んでしまうと言う事だ。
1度折れてしまったら、例え同じ刀を造ったとしてもその子は2度と戻らない。

「姫様」
「ううん、考え事してただけ」

ふるふると首を横に振って気を引き締める

ここは兄さまが指揮してる戦場ではなく、ここでは私が指揮をする立場だ。

「いえ、姫様の手の、信長公から賜った刀が…」
「へ?」

変な声出た、じゃなくて。
手に抱いてる刀を見ると、淡く光っている
嫌な感じはしないけど
あれ、敵と対した時に何かあったのか?傷ついたりしてないよね?

刃の状態を確かめるべく鞘から引き抜くと
周囲の空気が優しくなり、花弁が舞い

光っていた刀が、見たことのない青年に変わり
私の前で片膝を付いて頭を下げていた。
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