第2章 本編20~39
20
三日月の綺麗な真夜中にふと目が覚めた。
ああ、そう言えば昨日来た三日月さんも瞳の色が綺麗に三日月色の柄が入ってて綺麗だったな。
むくりと起き上がって、廊下の方に影が見えて・・・
そっと開けたら長谷部が座って眠っていた。
そっか、貴方はずっと毎晩此処で座って護ってくれてたんだね。
何か悪いから今度から一緒の部屋に寝てもらうかなー。抵抗しそうだから無理矢理。
この子は妙に律儀なんだから。
「・・・ん、主?」
「起こしちゃった?ごめん」
布団を掛けてあげようと思ったら気配で気付かれちゃいました。
「いえ、申し訳ありません」
「ううん、いつもありがとね」
「勿体無いお言葉」
長谷部の手を取って、徐に引っ張る
「主?」
「そこで毎晩寝てたら身体壊しちゃう、市の部屋で一緒に寝よ?」
意外な言葉だったのか、綺麗な紫色の瞳を大きく見開かせて
「あ、あの。俺は大丈夫ですので・・・主」
「だめ」
やっぱり拒否されたな、ここまでは想定内ですが、さてどうしたものかと考えたら
「おや、主に、長谷部ではないか」
「あら、起こしちゃった?」
「いや?月が綺麗でな、外で散歩をしていた」
「三日月・・・宗近か」
三日月さんが私と長谷部を見て事情を察したのか
「ははは、主と共に寝てやればいだろう」
「そんな事できるわけ・・・」
「成らば、俺が共に寝てやろうか?」
「なっ・・・」
三日月さん、グッジョブなんですが・・・これでも長谷部が拒否ったら私は三日月さんと一緒に寝るんだろうか。
いやまあ、もう1枚布団は敷けるスペースあるけど。
「勿論、添い寝だがな?」
ちょ、一緒の布団って事ですか!?
そう言う三日月に長谷部は、彼を睨んで立ち上がり。
「主、部屋に行きましょう」
「へ、うん」
「おや、残念だな」
三日月さんの策なのかな、長谷部が素直に言う事を聞いて布団を敷いている。
「三日月さん、ありがと」
こそりと感謝を述べたら、にこりと笑って
「敬称は不要だ、礼はこれでいい」
そう言いながら私の頬に・・・口付けをしてきた。
ちょ、顔近い!