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審神者になった華

第1章 本編00~19


06

「主、黒羽殿、雹牙殿」
「どうしたの?長谷部さん」

いつになく真剣な表情で長谷部さんが私達を呼んだので
顔を見合わせて長谷部さんに近付く。

「聞いて、頂きたい事があります」

もしかして、前に話してた。時が来たら話すって件?
うーん、それならば。

「兄さまにも、お話しする?」

元々は兄さまの所有だったし、何となくそう言ったら。長谷部さんは少し驚いた様だけど

「宜しく、お願いします」

少し辛そうな顔で頭を下げられて、良かったのかな、と思ってしまった。
さて、長谷部さんはこの姿のまま尾張に行けるのかな。
そっちが心配になった

所変わって尾張、安土城の私の部屋の入り口に出た私達。
長谷部さんは刀に戻るかと危惧したけど、どうやら一度付喪神化したら大丈夫そうです

黒羽は先触れとして先に兄さまの所に行って貰いました。

「長谷部、平気か」
「はい、特に異常は感じません」
「じゃ、いこっか」

自身を確認する長谷部さんの手を取って、私が先行する。
一応、前に兄さまに「長谷部さんが人化した」って報告したら「やはりか」と高笑いしてました。
に、兄さまやっぱり予想してたのね!

「兄さま、来たよ」
「入れ」
「失礼致します、信長公」

長谷部さんが私よりも少し後ろに座り、兄さまに頭を下げる
黒羽と雹牙は兄さまの後ろに控えてる状態。

「うぬがあの刀か」
「はい、へし切長谷部と申します」
「長谷部さん、聞いて欲しい事って?」
「俺は・・・」

長谷部さんの話を聞いて驚いた、この戦国の世で打たれる前に、別の・・・私で言う前の世の記憶があるらしい。
彼はずっと刀として存在していたけど、兄さまとは違う「織田信長」の所有していた物だったが
ある日直臣でもない、別の世の黒田官兵衛に下げ渡され失意のまま存在していたと。
彼は、織田に・・・織田信長に仕えて居たかったと悲痛な顔で話してくれた。

「この世にまた存在し、信長公の元に来れて嬉しかった・・・ですが、前の様に下げ渡されるのではないかと恐れておりました」

そこで、前の世とは明らかに違う世界だと知った。
婆娑羅という異能に、小さい身ながらも兄さまの所に頻繁に出入りする妹の私の存在。
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