第1章 本編00~19
05
長谷部さんとまんばくんに挟まれる様に座ったまま
先程、刀工の方から受け取った桐の箱を目の前に
こんのすけ君から貰った、簡単に言うと
「付喪神になる刀剣リスト」成るものを皆で眺めてます。
絵姿は載ってないけど号の名前だけね。
私はサッパリ分かんないけど忍の2人は大体分かるみたいで助かります。
「開けてみよっか」
3つある内の一番小さい桐の箱を開けてみると、短刀だ・・・
残りの2つも開けてみたら大きな大太刀と太刀が1本ずつ。
通りで箱がでかいと思ったよ、長谷部さんよく持てたね。
あれ、このリストに大太刀や太刀って作りにくいみたいな事書いてあったんだけど
最初から運を使い果たしたのか私。
短刀を手に持ち太刀と大太刀は大きいので婆娑羅の闇の手で、一斉に鞘から抜いた
引き抜かれた3本の刀は人の姿を成していく、と。
「虎?」
足元に1匹小さな虎が転がってきた。
もふもふ可愛いな!
どういう子が来たのかと思って顔を上げたら
神主の様な風貌をした、大太刀を携えた方に
一瞬、政宗?と思ったけど違いました。
スーツの様な、武具を着けた青年
うむ、2人ともイケメンです。眼福。
そして、5匹の小さな虎に囲まれた・・・何この可愛い天使。
・・・あ、太刀、大太刀は婆裟羅で引き抜いたから発動しっぱなしでした。
3人とも驚いて闇の手ガン見してる。
「驚かせて、ごめん、ね。仕舞うから」
だから短刀の君、虎を抱っこして怯えないで下さいごめんなさい!
「あ、いや此方こそ済まない、私は石切丸と言う。貴女が新しい主殿で?」
「うん、審神者と成りました、市です」
「僕は燭台切光忠、前の主は伊達政宗公だったよ」
「政宗の?だから、雰囲気が似てるの、かな」
「え、政宗公を知ってるの?」
「一応、友達?」
「姫様、なぜ疑問視なんですか・・・」
見えてる左目が大きく見開いて光忠が問い掛けてきた。
いやあ、政宗とは友達だけど君の前の主とは違う可能性高いし、と言ったら成程って納得してくれたけど。
さて、他の子と話してる間に少し落ち着いてきたかな?
虎を抱っこした子に笑いかける
「君のお名前は?」
「あっ、すみません・・・僕は五虎退と言います」
五虎退の名前を聞いて黒羽が
「謙信公の短刀ですね」
「え、黒羽見た事あるの?」
「1度だけですが、見せて頂きましたよ」