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審神者になった華

第5章 番外編


1周年ありがとう企画③

関ヶ原で見た謎の、織田の市達は奈落へ落ちると共に帰って行った。

あの女の世では秀吉様も半兵衛様もご存命だと聞いて・・・
何故だ、何故私はあいつの世に生まれなかったんだ。
戦が終わっても。
私の心が晴れる事はなく・・・詰まらない。
あの女の世に行きたいとさえ願った。

「三成よ」
「刑部、傷はもう良いのか」

織田信長の手により重症になるも生きててくれた刑部の手当てと
大阪城の政務をこなしていた時に、刑部が私を手招く。

どうしたんだと歩いてく途中で浮遊感。
刑部の下にも穴があって

「なっ」
「三成!」

2人揃って謎の穴に落ちて行った。

奈落に落ちた、ここは地獄なのだろうか?
ひたりと額に布の様な物が置かれて
誰かに手当てをされている?

うっすらと目を開き、視界にあの、会いたくて焦がれていた異界のお市の手を掴んだ。

「うわ!?」
「貴様は、あの時の女だな?」
「あの時?」

関ヶ原の地にて謎の男達と来たではないか!
そう伝えると思い出した様で

「やっぱり、向こうの三成だったのね」
「此方にも私が居るのか」
「よ・・・形部はお隣の部屋で眠っているわ」

すっと、襖を開けて見せてあげるとホッとした表情で。
何かを思い出した様にガシッと肩を掴まれて

「恥を覚悟で貴様に頼みたい!」

秀吉様と半兵衛様に一目でいい、生きてる姿を見せて欲しい。

必死で頼む姿に横に居た長谷部と苦笑いして。
そんな事だろうと思ってました
君達が寝てる間に、呼んで事情は説明済み。

「僕が生きてる姿をねえ・・・随分顔色が悪いね三成君」
「半兵衛様!秀吉様も!?」

少し前に起きて此方の様子を伺ってた形部も起き上がって。

「おお・・・太閤、賢人よ」
「秀吉様っ!半兵衛様!」

さあて、身内の話では私は厄介者。
部屋を移動すると本物の三成と吉継がぶすっと

あれ、機嫌悪い?
お茶を出してお菓子をもぐもぐと食べて。

「あの私の世では秀吉様も半兵衛様も亡くなられているのか」
「我も包帯だらけよな」

うちの吉継は元気だからねー
これは100%私のせいです。
その後、泣きながら帰って行った異界の三成は
私ではない本物のお市を保護して
安心して暮らせる様にと大阪城にて共に住んでる様です。


※50万hit企画で書いた、市in刀剣で劇場版BASARA乱入のその後の話
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