• テキストサイズ

審神者になった華

第5章 番外編


1周年ありがとう企画①

あー、うー、と最近聞こえ始めた声に思わず笑いが零れる

こっそり見てみたら壁を伝って歩く神丸殿
彼は同じ刀剣の長谷部殿と主のお市様のお子だ。

お付きの侍女殿だろうか、神丸殿の愛らしさに顔を和ませて。あ、呼ばれてしまって狼狽えてますね。

「侍女殿、神丸殿は粟田口で見ますので言って良いですぞ」
「あ、一期一振様!お言葉に甘えまする!」

申し訳ありません、と言いつつ神丸殿を抱き抱え。
私の腕の中にすっぽりと収まった赤子を
弟達の前に座らせる。

「あ、神丸~!」
「よう、神丸よく来たな」

乱と薬研が真っ先にやって来て抱き上げあやす。

神丸殿のお陰か弟達が少し逞しくなった見たいで。
何だか嬉しく感じますな。

「じ、神丸おいでおいで」
「こっちこっち」

普段気弱な五虎退が神丸殿に手を伸ばして
元気な秋田も混ざって

「きゃあー」
「あ、神丸さん、きましたぁ」
「良かったですね!五虎退」

神丸殿がハイハイをしながら五虎退の膝に座って虎と戯れてる間に
秋田が手を伸ばし頭を撫でる。

今日も、平和だなと弟達と神丸殿を撫でて
部屋から見える庭を眺めていたら

通り過ぎる小さな影に声をかけた

「蛍丸殿、国俊殿、今剣殿」
「ん?あ、神丸居るんだ」
「はい、こちらに来ませんか?」
「いきますー!」

3人を部屋に招き入れ、早速神丸殿をあやし始めて。

おや、手は神丸殿を撫でてますが、蛍丸殿がしかめっ面ですね。

「どうなさいました?蛍丸殿」
「ん?うーん、国行もいっぺん浄化されればいいのに」
「ははははっ」
「う?」

思わず声を出して笑ってしまいましたが
あの方は、ね。
来て早々に主に惚れたのは良いですが、もうその時は長谷部殿と恋仲でしたからね。

前向きなのは良いですが。

不思議そうに首を傾げる神丸殿を蛍丸殿が抱き上げて。

「神丸は国行に似ちゃだめだよー」

高い高いをして、きゃっきゃと笑う神丸殿を見て
和まない者は居ないでしょう。

少し経った所で主・・・お市様が迎えにきて。

「ごめーん、皆。子守りさせちゃって!」
「いえいえ、お忙しいのでしたらいつでも」
「ありがとうね」

いつでも、神丸殿の子守りは任せて下さいね。
弟達も喜びますんで。
/ 119ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp