第4章 小話
06
一期一振は、安土城で横に控えすれ違った方に頭を下げる
主殿の世の方々は、1部だが不思議な力を持って生まれると聞いた
今のお二方もそうなのだろうか
大きな体格の男性と銀髪の、仮面を着けていた方
有名な武将なのかと気になったが、いかんいかん。私達の居た世と違い過ぎる。
近付く気配に顔を上げると、ここの忍の方
主殿がお呼びになってると聞き、礼を言って広間に向かった。
「失礼致します」
「一期こっちー」
ぺこりと頭を下げて入って来る一期に手を振ると
此方を見てにこりと微笑んだ。
まあ、ここにお座りなさいと呼び呼びして、自分の隣に座る姿も流石いちにい
背筋をピンと伸ばし姿勢良く正座をしてます
いまいちお客様が誰か分かって・・・分かる訳ないよねー
己の世では持ち主だった、でもここの世では元就から献上されたけど
豊臣さまの武器素手だから
「君が一期一振かい?」
「はい、粟田口吉光が一振り、一期一振と申します」
「一期、こちらの・・・銀髪の美人な仮面さんが竹中半兵衛さま」
「市姫、君ねえ・・・」
私の紹介に半目になって呆れる竹中さまはスルーして
「此方の大きいお方が豊臣秀吉さま、横に居る方は奥方のねねさま」
「え・・・」
一期、豊臣さまの大きさに驚いて一瞬で2度見したよ
竹中さまと豊臣さまねねさまには事情は説明してあるけど
「思わず、だとしても少し無礼に当たらないかな?一期一振君?」
「も、申し訳ありませんでした!」
竹中さまはクスクスと笑って嗜めるけど
豊臣さまもねねさまもめっちゃ和んでるからね?
豊臣さまの大きな手が、一期の頭に乗り、綺麗な色の髪をわしわしと撫で
一期の顔がキョトンとして、可愛いな
「構わぬ、違う世の我は・・・さぞ小さかったのであろう・・・再刃して短くするとは」
豊臣さま、竹中さまに「城にある一期一振を我の背丈に合わせて再刃するか?」とか
太郎さん並の長さになると思うのでやめたげてください
てか元就から献上された刀、長くなったの見たら元就もビックリするから