第4章 小話
05
政宗が遊びに来るよとは言ったけど
ちょっぴりドッキリさせようといつ来るかは伝えてませぬ
驚きながら嬉しそうにする顔が見たかっただけです
光忠の淹れてくれたお茶を飲んで談笑していたら
「Hey!市、久しぶりだな。邪魔するぜ」
「邪魔をする」
「いらっしゃい、政宗、小十郎さん」
「「「政宗公!?」」」
「よう、お前等元気そうだな」
口パクで教えてなかったんだよーって言ったらニヤリと笑って
「市のSurpriseが効いたみたいだな」
「え、主?黙ってたの?」
「驚くかなーって思って」
「長谷部くんも知ってたの?」
「まあな」
「おい…」
「こりゃ驚いた」
ドッキリ成功だね、と政宗とハイタッチしたら
大倶利伽羅に軽く小突かれました。ふふふ、悔しかろう。
厨からお茶菓子を持って来てもらって。
「お八つ、皆で食べよう」
倶利伽羅も光忠も地味にずんだ餅好きだから作ってみました。どやっ!
政宗も皆も嬉しそうにもちもち食べてるから不味くはないね?
「とても美味しいですよ、市」
「長谷部ありがとう」
1口だけ食べて飲み込んでから感想くれた長谷部ありがとう。
皆はハムスターか!って位頬に入ってますから喋れませんね…感想は諦めよう。
皆の分のお代わりのお茶を取りにしょぼんと若干肩を落として厨に向かった。
「…何で主に感想を?」
長谷部が首を傾げて不満そうに問うたとこで皆がくすくすと笑い
「旦那になるお前が先に言わなきゃ意味無いだろ?You see?」
「長谷部君の後に言おうとしてたんだよ、僕たち」
「まさか主が拗ねてしまうのが先とは思わなかったがな」
「政宗様、お前等!市が戻って来たらきちんと美味い位言え!」
「わかっている…」
「全く、お前達は」
顔を赤くして、軽く頭を押さえる長谷部に伊達組は楽しそうに笑って。
「ただいま、どうしたの?長谷部」
「いえ、何にも」
皆にお茶を注ぎながら聞いたら顔を赤くして俯く長谷部に
楽しそうな顔した皆の表情に訳が分からなくて。
「市!餅美味かったぜ」
「やっぱり主だね、美味しかったよ」
皆が笑って美味しいって言ってくれて、凄く嬉しかった。
大倶利伽羅、小さく「美味かった」って言ってくれるの嬉しいけど
もうちょっと素直になってくれんか君は。
鶴丸に「美味かった」と言うついでに頭を撫でられて。
…何か解せぬ?