第3章 始まりのモノガタリ
雅「ん…?此処は…って何これ?!」
目を覚ましたら火事が起きているのか煙たい。
(な、なんで?!え?さっきまで外に居たよね?!)
雅「萌香ー!華南ー!絵梨ー!
ケホケホッ何処ー?」
辺りを見渡しても3人の姿がない。
兎に角此処を出なければ。そう思い、出口を探そうとしていたら、柱に凭れている男性が見えた。その近くにもう1人、何か長い棒を持っている。
キラリと光るその棒は…
雅「えっ?!刀?!!」
私の声に反応して直ぐに刀を持っていた人は夜闇に消え、何処かへ行ってしまった。
なんだったの?いまの……
はっ!じゃなくて今はあの人を!
柱に凭れている男性の所へ駆け寄った。
眠っているらしい。微かに寝息が聞こえる。
雅「起きて下さい!家事ですよ!」
肩を揺さぶって起こす。
??「ん…?貴様、何者、だ…?っ!」
雅「やっと起きた!さ、此処を出ますよ!」
そう言って男性の手を取り出口を探して外へ出た。
外へ向かう途中、男性は黙って私に手を引かれていた。
雅「や、やっと外に出られた……」
へなっと地面に座った。
雅「あの、お怪我はありませんか?」
??「俺は何ともない。
それより、貴様、手を離せ。」
手…?
見ると手を繋いだままだった。
雅「わっ!すみません!」
急いで手を離す。
ん?というかこの人、何でこんな格好を…?
大河ドラマで見るような甲冑を着ていたのだ。
??「どうやら俺は貴様に貴様に命を拾われたみたいだな。
寺の坊主と密通をしていた遊女だろうが、礼を言っておいてやる。」
んんん??み、みっつう?ゆうじょ?
え?何を言ってんの?
??「何を呆けた顔をしている。
俺の名は知っているだろう?」
雅「え?知りませんけど」
??「ほう…褒美目当てかと思ったが…
知らないなら教えてやる。
俺は、安土城城主、尾張の大名。織田信長だ。」