第8章 第8話
雅「…俺の所に来るか?」
悲しそうに鳴き続ける仔猫に俺はそう声を掛けた
するとその仔猫は俺の顔をジット見つめてきた
…この仔猫、本当に言葉が解るのかな…
雅「俺も独り身だからさ、一緒に暮らそうか」
そう言うと何故か、暫く猫の遺体を埋めた場所を見ていたと思ったら、急におとなしくなった
これは一緒に暮らすって事で良いんだよな?
雅「…行こうかチビちゃん」
俺は仔猫を抱いてその場を離れたけど、まだ仕事中だったからさっきのペットショップに仔猫を預けて、仕事が終わってから引き取った
家に連れて帰って身体を洗うと意外にも
雅「へぇー…チビちゃんの毛って真っ白で柔らかいんだ。眼も大きくて真ん丸だし…男の子だけど美人さんだね」
そう言ってその仔猫を見た時、ふと翔ちゃんの顔が頭をよぎった
雅「…翔…ちゃん…」
…ダメだな…仔猫にまで翔ちゃんの面影を重ねるなんて…
雅「…よし!今日からお前の名前は『ショウ』にしよう!俺は『雅紀』っていうんだ。宜しくな」
こうして俺達の新たな生活が始まった