第8章 第8話
仔猫が走って行った方に行くと、道路の真ん中に倒れている猫に身体を擦り付けていた
その猫の口元を見ると、さっき仔猫にあげた鮭の切り身が置いてあったけど、その猫は車に轢かれたのか口から血を出して死んでいるようだった
もしかして仔猫は、この猫が死んでいるの解ってないのか?
俺はその仔猫の側に寄ってしゃがみこんだ
雅「…可愛そうに…車に轢かれたのか…」
俺が声をかけると、仔猫は俺の顔を見てきた
雅「そうか…お前この猫にあげたくて必死だったんだ…」
そう言ってその仔猫の頭を撫でてあげると、気持ち良さそうにおとなしくしていた
…この猫、このままにしておくのは可哀想だな…
俺は猫の遺体を持ち、その猫をよく見掛けた林の方に向かうと、仔猫も後をついて来ていた