第6章 第6話
その日を境に翔ちゃんの体調はだんだん悪くなっていった
毎日高熱が続き、殆ど寝たきりのようになっていた
そしてついに先生から
「年を越すことは難しいかもしれません」
って言われたと、おばさんから聞いた
その時おばさんは、泣きながら俺に伝えてくれた
翔ちゃんが居なくなる…
そんな事あるはずがない…
俺は眠っている翔ちゃんの横で自分に言い聞かせるように思っていた
翔「…雅…紀…」
雅「翔ちゃん…起きたの?」
翔ちゃんが目を覚まして声を掛けてきた
その声は力なく苦しそうだった
翔「雅紀…お前…就活は良いのか…?お前だって忙しいんだから…無理して来なくても…良いんだぞ…?」
雅「…大丈夫。俺こう見えても優秀なんだよ?実はもう内定もらったんだ」
優秀って事はないけど、ペット用品の製造販売している会社の内定を昨日貰っていた
翔「そっか…良かったな…頑張れよ」
雅「うん…」
翔ちゃんは自分の事の様に喜んで、微笑んでくれた