第1章 幼少期
52【完】
竹千代を駿河に送ってから尾張に戻り、兄さまに報告したら
よくやったと頭を撫でて下さいました
義姉さまや光秀にも心配をかけてたらしく、もう5年くらいは旅に出なくても良さそうです。
たまに松寿丸や、三郎四郎、弥三郎、佐吉と慶松のとこに遊びに行ってもいい?って聞いたらオッケーくれたけどね!
「暫く落ち着けるねぇ」
こたつに突っ伏してだるだるなう。ちょっといきなり色んな所に行き過ぎて気疲れ起こしたかな。
「お疲れ様です、姫様」
「結局殆どの大名の所に行ってたな」
最北や九州には行ってないけどね。
私の当初の目的は達成したので本当に良かったぁ・・・
まあ、色々トラブルはありましたけどね
今川との同盟も達成し、大名達が結束する事によって大きな戦は起こらないでしょ
まだ下克上を狙ってる小物は大勢います、そういうのはその時になってからでいいですね
「お市さま、宇都宮から文が来ている」
「伊勢寿丸から?」
どれどれと文を開いて読んだら嬉しくなった
「高定さんと伊勢寿丸、城を取り戻したって」
「ほう、あの子供がか」
私達への報告の後に、雹牙への感謝の言葉も綴られていたので
雹牙に見せたら凄く驚いてました。
ある意味、弟子1号だものね、伊勢寿丸は。
「姫様、後は御予定はあるのですか?」
「ううん、これからのんびり過ごせそう」
「其れは良かった」
黒羽と雹牙には一番心配かけちゃったよね
「黒羽、雹牙」
「はい、何でしょう?」
「何だ?」
うちの優しいお兄さん達に抱き着いて甘える。
「付いて来てくれて、ありがとね」
一番心配させたのは伊達家の畠山の事だけど、他にもいっぱい迷惑かけた
「姫様が行く所ならばいつでもお供しますよ」
「無理をしなければ、それでいい」
「ふふ、ありがとう」
兄さまにも、忍のお兄さんたちにもいっぱい心配かけたけど。
暫くは大人しくしてようと思います。
「尾張に滞在中は薙刀と体術の稽古だな」
「婆娑羅の制御もしませんとね」
おうふ、尾張に帰ったら帰ったらで課題がたくさんでした。
いっぱい修行して強くなって、兄さまの力になれればと思います