第4章 春日山お泊まり合宿!
「謙信様!!どこで稽古をするんですか?」
謙信様は私の腕を引っ張ってゆっくり歩調を合わせて歩いてくれている。
私が話しかけると少し不機嫌そうな顔をして、耳元で大きな声を出すな。と注意してきた。
なら腕なんか引っ張んなければいいのに、と心の中で愚痴って次の言葉を待つ。
…謙信様の次の言葉はなく、私は城下へと連れてこられた。
「は?なんで城下?…もしかして山賊と…勝負?」
「馬鹿。そんなわけがあるか。」
「んじゃあなんで城下なんすかああ。」
「信玄が女子なら本当は稽古なんかよりも城下でくつろぐ方がいいと言っていた。」
「え…それで城下ですか?」
何その理由。
可愛すぎるでしょ…
本当は稽古をしたい。心の底からそう思ってる。
けど謙信様がそんな可愛い理由で城下へ連れ出すなんて…
怒れない…
「お前はどう思っているんだ?」
「私は心の底から稽古をしたいと思っています。だけどせっかく来たから城下にして後で稽古しましょ。」
謙信様はほっとした顔をして、ああ。と言った。
それから私達は露店を見たり、お団子食べたりして過ごした。
途中、可愛い物を見つけて見つめていると、謙信様が買ってくれて申し訳ないなと思いながらも私は貰った。
「あ!ここ、南蛮のお店ですよね?」
「ああ。たまに安土から来る店だな。」
そのお店には、可愛いヘアピンやブレスレット、ネックレスなんかあって懐かしい気持ちになれた。
「ああ!!!これは………!!」