第4章 春日山お泊まり合宿!
私は、早速自分の部屋に戻って準備を始めた。
どうせなら、着物より袴のほうが動きやすくて良いと思い、
ある部屋へと向かった。
「桜さーん!」
部屋の前でそう叫ぶと、桜さんは襖をスっと開けて出てきた。
ここは、針子部屋。
桜さんという人は、私の着物をしょっちゅう作ってくれる人だ。
本当に優しくて、気遣いが出来て、最高の人。
「萌香様、どうされました?」
「あの、着物だと動きにくいから、使わない袴とかないかなーって」
「それでしたら、沢山ありますよ。奥の引き出しにありますので、どうぞ見ていってください。」
「ありがとぉー!」
私は引き出しの中から3着の袴を持っていった。
1着目は、水色と濃い紫の組み合わせの袴。
2着目は、薄いピンクと濃い青。
3着目は、黄緑と、黒。
(どれもちょっと可愛すぎるな…)
なんて考えながら桜さんにお礼を言って部屋へと戻った。
(謙信様、稽古つけてくれるかな?あ、梅干し好きって言ってたからどこかで買ってこうかな?ん〜〜楽しみすぎる!!)
わくわく気分で荷物を詰めていると、後ろからガタッと音がした。
すぐ後ろを向いたが、そこには誰もいなかった。
(なんだろう?)
そう思いながら準備を再開した。