第4章 春日山お泊まり合宿!
「さて、天守に行きますか。」
そうと決まったら、早速相談だ。
私は隠しておいた金平糖を持って、
足早に天守まで向かった。
「この土地からしてみるとー…」
くそ…政務中であったか。
それでも構わない!
私はそ〜っと襖を開けて、気配を消しながら近づいていった。
政務の相手は秀吉さん。
秀吉さんの後に座って、信長様に見えるように金平糖の袋をつまみあげ、揺らした。
「信長様、どうされますか?」
「…信長様?」
秀吉さんが後ろを向いてやっと気が付いた。
実に遅い。
「うわぁっ!!なんだ、萌香いたのか…驚かせるな。」
「えへへ。信長様、とっても大切なお話があります。」
「…秀吉、この件は後で言う。なんだ、萌香。」
秀吉さんは、はっ、とだけ言ってすぐ出て行った。
私は、咳払い1つ付けて、全ての話を打ち明けた。
信長様は話をずっと黙って聞いててくれた。
「最近働いてたからな。1日だけならいいだろう。」
「やったー!ありがとうございます!」
普段の世話役の働きのお陰で私は春日山城へ1泊2日泊まることになった。
んじゃ、準備しなくちゃ。
腰を上げて天守から出ようとすると、信長様に呼び止められた。
後ろを向くと
「金平糖はもらう」
照れくさそうに笑っている信長様が可愛すぎた。