第3章 姫の才能開花
目を瞑って、大きく深呼吸をする。
そして目を大きく開けて、
私は謙信様に斬りかかった。
「これはなかなかだな」
謙信様がニヤッと笑った。
私は謙信様を視界から決して放さず、
どんどん斬りかかっていった。
が、謙信様は強く、たんたんと私の刀を弾いていく。
「土台はいいが、詰めが甘い。」
そう言って謙信様はあっという間に私の手から刀を落とした。
「……参りました。」
「なかなか良かったぞ。」
謙信様はそう言って華麗に刀をしまった。
「ああああーーーー!!!!!!悔しい!!!」
「萌香さん…刀はやっぱり駄目だ。けど、木刀ならいいと思うよ。それで練習して、また謙信様に挑めばいいさ。」
「わかった。謙信様、また相手してくれますか?」
「ああ、いつでも来い。」
この日から数日後、佐助先輩から木刀が届いて私はその木刀で
毎日練習を重ねることになった。