【ヒロアカ】血まみれヒーローと黒の少年【原作沿い男主】
第5章 懐疑
応接室へと案内しながら、相澤はこの白銀という男をひどく警戒していた。いや、初めて会った時から胡散臭い男だとは思っていたのだ。この、風体もだらしなく、常に含みのある笑みを浮かべ、人を勘定するようないやらしい視線を投げかけてくる男が転校生の保護者を名乗った時は、何の冗談だと思ったものだ。
白銀凪人。都立孤児院『アザミの家』の院長。一ノ瀬翔の保護者。
そして、おそらくは、転校生を優秀な戦士に育て上げ、戦闘技術を叩き込んだ男。
一端の孤児院長がそんな真似をするには、何か並々ならぬ理由があるはずだ。今から相澤は、それを炙り出さなくてはならない。