第23章 So Cute!【爆豪勝己の場合】
「おいてめぇ…」
そう声をかければビクッと震える肩。
「どけ!カス!カワイイの塊!」
『ご、ごめん!爆豪くん…』
しゅん…と肩を落とすゆりなの横を抜けて選手宣誓の台に上る。
今日は雄英体育祭、
俺はここで……
「センセー」
「俺は2位になる」
巻き起こるブーイングに向かって親指を下にビッ!と下ろした。
「1位はゆりなだ。」
そう付け加えると「あー…」と同意のため息が帰ってきた。
ゆりなは顔を赤らめて、口をパクパクさせていやがる。かわいい
「よく言った!爆豪!」
とかいって切島が肩を叩いてくる。
「うっせークソ髪、叶わねーだろあんなやつ。」
入学直後の戦闘訓練…オレは初めて勝てねぇんじゃねぇかって思うやつに出会った。
口付ゆりな。
ぼーっとしたかわいい女。
どこがかわいいかとか、わかんねぇ。
つーかそもそも、かわいいって感情を他のやつに持ったことがねぇからわからねぇけど、
とにかくかわいい。
こいつ見てると、かわいいしか頭に浮かんでこネェから、困る。
初めて、叶わねぇって思った…でもそのことに関して不思議といやな気持ちはしなかった。