第8章 ビバ中忍試験!命短し走れよスパイ!
それ以前にたくさん殺されたのでもういまさら恐怖だの憤怒だのそういう感情は持たないがそれにしたってやりすぎである、ろくに反撃できなかったがまったくというわけでもない、ここ最近は動きながら思考する余裕もできた、前までは本能に任せて避けてたからな…反撃できたのはむしろ進歩と言っても過言ではない、トビは私に急成長を望み過ぎなのだ
彼が留守の間はチャクラコントロールと忍術の練習だ、最初は手が絡まって大変だったけど最近じゃ見れるようになったはずだ、といってもまだまだ遅いが
そんなこんなで夜になり、武器を使ったお稽古、でも避け主体なので大きい武器は途中で捨ててしまうし、小さい武器も手があるなら地面に手をつけて体を支えたほうが建設的だという結論に落ち着き、素手が一番安定してるね…という感じだ
「子供であればもう少し戦い方に融通が効くと思ったんだが」
なんてことまで言われてしまった、どう考えても修行相手とか修行のやり方とかが悪いんだけど、現状彼より強い奴はいないのでそれを言うこともできない、マダラ死んでるし……私の師匠にするには彼は強すぎる、だけど私としてはこれ以上ない修行相手なので手放したくないと
死に戻り前提のパワーレベリングみたいなもんだ、正直この力がなければ彼とぶつかり稽古なんて絶対したくない
もそもそと食事をつつきながら彼を見る、今日は心なしか息も上がってたように思う、最近は以前のようにクナイを喉元に突きつけられて終了ということも少なくなった
なんやかんやでトビがいい感じにスタミナをすり減らしなぁなぁになる感じだ、でもやっぱりその時私はチャクラ切れで指一本動かせない、いい運動になるからという理由で結構向こうも乗り気なのがありがたい、だけど気を抜くと普通に死ぬのでいつでも死線だ……本当にいい師匠だよまったく、どこの世界にぶつかり稽古で弟子を殺す師匠がいるんだ、よっオンリーワン
「…何を考えてる」
「いや、食事美味しいなって」
的外れな回答をしてご飯を掻き込むとトビを見送り私も家に帰る
明日も朝からぶつかり稽古だ、夕方までやって武器を手に取る稽古に帰ってくるのはおそらく深夜だろうか、それから寝てすぐ稽古、死亡回数を数えるのはやめておこう、今回ばかりは
とりあえず一ヶ月後に私の体がズタボロになってないのを祈ってて欲しいぐらいではある