第8章 ビバ中忍試験!命短し走れよスパイ!
私は前を歩くカブトをそろりと見ながらため息をついた、さっきから私のことめちゃめちゃ警戒してる、正直私のほうが背中刺されるんじゃないかと思って気が気じゃねえよ
それに幻術にはまって同じところをぐるぐるぐるぐる歩いてる、マジでみんな気づかねえもんなのなこれ?いや、カブトは気づいてるに違いない、いざとなればやはりこいつを……という気概だけは忘れず行こう
万が一私のせいで地の巻物が取れなかったら万華鏡写輪眼でもなんでも使ってこいつからひったくるしかない……ぜーぜーと息を切らしながら私たちはひた歩く、そしてついにナルトが幻術であることに気づいた
おうようやくかよ、私はポッケからチョコを取り出して口に含む、甘い
そしてようやく敵が姿を現した、とにかく、避け続けろと言われて私の得意分野だからいいんだけど、写輪眼を使うまでもない、クナイを投げるだけの直線上の軌道なんか目をつむっててもよけられる
ナルトが影分身を打ったところで草むらに隠れる、そして敵が姿を現すところで後ろから登場、くぅかっこいい、しかしナルトは頑張るな、漫画の前じゃナルトタフだなぁぐらいにしか考えてなかったけど…いざ自分がチャクラを使えるようになるとどれほどまでにナルトがチャクラオバケかよくわかる、鬼鮫もかくやというところだ
「、写輪眼は使えるか」
息も絶え絶えにサスケが聞いてくる
「………うん、使えるよ」
「なら、アレのどれが本物か、見れるだろ」
あんまりサスケの前で写輪眼とか使いたくないけど
「わかった」
私は写輪眼を展開する、うん、全部幻術だ
「ナルト!それ全部幻術だよ!」
「ぜ、全部!」
ナルトがこちらを振り向く、その隙に敵がクナイを振りかざした
「ナルト!」
走り寄ろうとするも疲弊して足がうまく動かない、カブトがナルトをかばって飛んだ、地面から敵が現れる、カブトの顔をクナイが引っかいた
そして、ああ、やっぱこいつ敵だわ、みたいな顔をする
おっかねぇな、怯んだ敵をナルトが吹き飛ばし、私たちは無事勝利、というわけだ