第8章 ビバ中忍試験!命短し走れよスパイ!
「しかしあのって子、中々のものですよ」
カブトは目の前にいる大蛇丸にごちる、もちろん忠告のつもりで
「そうね、サスケくんのスペアに欲しかったけど、あの子、おそらく途中で死の森から抜け出してたんじゃないかしら」
目を細める、というと?と質問すれば、大蛇丸は低く笑った
「あの子がはぐれていた晩に探してみたけど、どこにもいなかったのよ、試験会場のどこにもね」
それは、とカブトは息を呑む
「おそらくあなたのことも気づいてたんじゃないかしら、中々のモノだけど、あの調子じゃサスケくんの方が扱いやすいわね」
「………途中で抜け出してたとおっしゃいましたが、それなら一体どこに?どうやって……」
確かに、自分に対して隙あらば攻撃しようという姿勢は一向に消えなかった、おかげでこちらも気が気じゃなかったのだ
「それを調べるのがあなたの役目でしょう、カブト」
ちらりと蛇の目が覗く、ぞぞ、と背筋を這い上がる感覚を沈めて、承知しました、と返す
「あの子は見たところイタチへの執念もなければ力への執着もない、まるでサスケくんとは大違いだわ、育った環境は同じなのにねぇ」
不思議…と大蛇丸が漏らす、確かに思い返してみればサスケとは正反対だ、いや、冷静具合で言えば似たようなところはあるのかもしれないが
それにしてもサスケがリーダータイプなら彼女は補佐タイプだ、戦闘もサスケほど派手じゃない……が、となるとあの写輪眼は………と思い当たるふしがあり視線を滑らせる
「確認をしてみます」
「そう、ありがたいわね」
すこし、追い込む必要がありそうだ