第7章 ビバ中忍試験!出るか必殺スパイ活動!
『聞こえるか、』
ザザ、と音が鳴って聴き慣れた声が耳の中で反響した
ちょうどトイレから出て手を洗っているところだ、見られてないよな?私は周りを見てからうんと小さく返事をする
『返事は是が瞬き、非が二回だ。試験中は一尾と九尾をよく見張っておけ、いいな』
言われて私ははぁいと息をついたあと、思い出したかのように瞬きをしてみた
「まぁやれるだけのことはやってみるよ、でもあんまり期待しないでね」
あと、と私は息をつく
「多分班行動がメインになると思う、別行動はうまいことやるけど探知系の忍術あんまり得意じゃないから、そこらへん任せてもいい?」
手を拭いてトイレを出る、構わない、と返事が聞こえて私はみんなの後を追った
「あれ、ひとり?」
会場に着くとカカシ先生がひとりで本を読んでいた
「トイレ寄ったからみんなとここで待ち合わせしてたんだけど……寄り道してるのかな?」
私は懐から願書を取り出してカカシ先生に渡す
「……うちの班だけはフォーマンセルか、ま、サクラの気が乗ればだけど」
その言葉で私はほっと胸をなで下ろす、お前だけ別行動ー!!とか言われなくてよかった
「?、でも志願って個人の自由なんじゃ?」
聞けばカカシはあー、と目をそらした
「本当はスリーマンセルじゃないと中忍試験は受けられないんだ、中途半端な気持ちで受けて欲しくないんだよ、オレは」
もう一度首をかしげて、ならサクラの気が乗らなくても大丈夫なんじゃ?と聞いてみる
「おいおい、班のチームワークが乱れるだろ」
ああ、なるほど、確かに他の皆は中忍試験から帰ってきて絆を深めあったのに一人だけそうじゃなかったら乱れるな
「俺はお前が一番心配だよ」
そう言ってカカシは私の頭をぐりぐりと撫で付ける