第5章 え?スパイになるなら生かしてやる?誰だお前
それからいじめは水かけからモノ隠しへと移行していった
正直これが一番困る、イルカ先生に言うと一緒に探してくれるのだが、彼にも仕事があるから頼りきりにはできない、一度注意してくれたみたいだけど余計こじれたというのが正解だ、やっぱり大人に相談してどうにかなるならいじめなんてとっくに無くなるんだよな
陰口もまったく興味を示さないナルトやサスケの耳にまで届くようになった
レギュラー以外の女子が全部敵だ、思わず頭を抱えたくなる
いのもサクラも私がサスケと仲良くしていたことが原因だと考えているようで興味なし、ヒナタはいじめられっ子と仲良くする勇気もないのか遠巻きに眺めるだけだし、男子も一部は席が近いこともあり挨拶する程度ではあるがやっぱり見方はしてくれまい、というか女子のいざこざには触れないほうが吉と考えてる節がある、その点については同意させてもらう
サスケに至っては修行を見に行くのを許可された、いやお前のせいとは言えずに付き合ってる
「ってな感じで、もう踏んだり蹴ったりだよ」
お昼を食べながらオビトに声をかける、相変わらず私は下を向いたままで
「やり返さないのか?」
最近は休みの日を彼とこうして過ごすのも珍しくない
「面倒だし、手加減間違えたらと思うと怖くて」
なんちゃってねと笑う、彼は食べ終わったようで私の視線が食事から解放された
オビトは私を見つめるだけで特に何を言うわけでもない
「でも、穏便に済ませる方法があればそうしたいかも」
スプーンを加えて口を尖らせる
「アカデミーか」
す、とオビトが目をそらす
「お面さんは通ったことあるの?」
「まぁな」
「へぇ、いじめとかなかった?」
それ以上彼は何も答えることなく机に向き直った、ちょっとほじくりすぎたか?