第5章 え?スパイになるなら生かしてやる?誰だお前
私の今の立場で言えば彼は仲間だろう、だが陰湿な上にひっそりと行われている私へのいじめとは違って彼に対するそれは里ぐるみだ、表立っては誰も言わないが言わなくてもわかるあからさまな視線、この世界に生まれてからわかったが、私がナルトだったら確実にひねくれてたに違いない
「あれ、お前ってば……じゃん、なにしてんだってばよ」
おおう、私の名前覚えてたのか、私自身学校じゃあまり活発な方じゃないから覚えられてなくてもと思ったが
「あー、ちょっと探し物、カバンがどっかいってさ……ナルトは?」
カバンがどっか行くってそんなのあり得るのかよと思いつつ話題を変える、ちょっと火影亭に忍び込んだから大目玉を食らってその帰りという旨の話を聞いて思わず頭を抱えたくなったが、まぁナルトらしいっちゃらしいかと思い直してあんまり無茶しないようにねと言う
「それじゃ、またね」
それだけ言って背を向ける、あまりナルトと一緒にいるのは緊張してやってられん、なんでかって主人公だから怖いしなんなら私ナルトと敵対するからね将来的に、罪悪感とかすごいんだよ
しかしカバンどうすっかなぁ…まぁ私は宿題の提出率はかなりいいので謝り倒せばイルカ先生も許してくれるだろう……いや、もうちょっと探すか
ため息を飲み込んで、とりあえず校舎の裏にある雑木林から探してみようと心に決めた