第5章 え?スパイになるなら生かしてやる?誰だお前
私は皿を洗いながら先ほどの言葉を思い返してみる、俺はお前の身内の仇。もしかしたら月の眼計画のことだけを考えて邁進してるように見える彼も、なにか思うところがあったのかもしれない………いや、それはないかと頭を振る、希望的観測だ
洗い物も終わり私は家に帰る、居間に出るとちょうどインターホンがなった
「はーい……と、サスケ?どうしたの?」
「お前、今日なんでサボったんだ?」
あ、と声を出す、そういえばサボったんだ
「いやぁ、ちょっと気が乗らなくて」
じろ、とサスケが私を睨む
「聞いたぞ、水かけられたんだろ」
うわお、私は思わずびっくりしてサスケを見た
「見てたの?」
「聞いたんだ、あいつら」
思わずサスケの手を握る、驚いたように私を見るが、離せと冷静に対処されてしまった
「暴力は良くないよ」
そう言って私はちょっとまってて、と言って部屋の中に入る
学校に持っていくカバンをもって玄関に出ると、まだ待ってたサスケが不思議そうな顔をした
「宿題届けに来てくれたんでしょ?サスケの家でやろ」
に、と笑うと彼はすこし嫌そうな顔をしたが嫌だ、ということもなく、ああ、と微妙な返事を返した
晩ご飯も彼の家で作った、うちはというのはことごとく生活力のない男ばかりで、スーパーに売ってる弁当の空箱の散乱具合を見て思わず頭を抱えたほどだ、みんなこんな感じ?でも確かイタチは弟のために目玉焼き作って………かなり失敗してなかったかな、うちはの男って皆こんな感じ?
サスケは実技も優秀だが座学もかなりできるやつで、私より先に宿題を片付けさっさと修行に出てしまった
晩御飯を一緒に食べる約束を取り付けたので食事を作る、しっかしと私はため息、宿題中でも尋問のようにずぶ濡れ事件のことを根掘り葉掘り聞かれた、多分事故じゃないかなっていうとものすごい形相になるし
あんな顔できるんだ…と思ったけど、人が介入することでこじれる話もあるでしょ、と言うと彼は黙り込んでしまった。まぁ全部サスケのせいなんだけどね、と内心考えていたがさすがにこれは口に出したらまずいだろう
修行から帰ってきた彼はドロドロでシャワーを浴びてるうちに食事を出しておく、食事を一緒にとって、そのあとは家に帰っておやすみだ、明日もアカデミーだけど、大丈夫かなぁ