第5章 え?スパイになるなら生かしてやる?誰だお前
風呂場から上がるとオビトはいなかった、出かけたのかなと思いつつ台所に向かう、このアジト、オビトが一人で暮らしているようで生活に必要なものは一通り揃っているのだ
もちろん寝室もある、なかなか入らせてはくれないが
台所にはフライパンや調理用具一式がほぼ新品の状態で壁に飾られている、鍋だけは使うようでコンロの上には水が少し入ってる鍋が置いてあり、後ろの棚にはカレーや中華丼などのレトルトのパックが山積みにされている
彼はかなりズボラなようだ、冷蔵庫の中には残り少ないペットボトルのお茶に賞味期限の切れた開封済みの味噌パックがある、卵もなければ塩もコショウもない、マジで生活力がないらしい、いや、暁の制定に忙しいのだから料理なんてしてる暇はないだろう、もしかしたらこないだ一緒にご飯を食べることを拒否したのはレトルトしか作れなかったからなのかもしれない
今の時間ならお昼を作るのにちょうどいいはずだ、ちょっと作ってあげようか、一旦里に戻って材料を買い込む、お昼だからそうさな、チャーハンでも作るか
材料を買い込んでオビトのアジトに帰る、炊飯器はあるようだ、ご飯が炊き上がるまで暁の資料でも読んでよう
彼は私を信用はしていないだろうが、自分を裏切ることはないと考えているようでこうやって自分の家でも野放しにしてくれる
まぁ、私も彼を裏切るつもりは毛頭ないし弟の仇だろうとは言われればそれまでだけど、弟を殺したのは私だと自分でいくらか割り切っているのでどちらかというと弟を殺させてしまったという方がしっくりくるまである
う、胸が痛い。まぁとにかく彼も彼なりの信念があり正義があって動いているのだ、それを悪だなんだとわめきたてて裏切るのは好きじゃない、私はオビトの陣営に付いた、その事実だけがそこにあるのだ、それが木の葉を裏切る形になったとしても