第5章 え?スパイになるなら生かしてやる?誰だお前
さて、それから少し時は流れたところで、微妙だった私の立ち位置が災いしたのか廊下で私の悪口を聞いてしまった、周りの大人のうちは一族に対する微妙な反応は子供達にも及んでいる、意外と子供というのは周りを見ているという話だ、まぁこいつなら何か言っても誰も守ってくれる人はいないだろう、と見られてしまったというだけの話だ
その点サスケは顔面と器量の良さで女子の支持を集めているので心配はないだろう、問題なのはその女子の支持を集めているサスケが誰からの支持も集めてない私と仲良しだというところにある
サスケと仲がいいというか里に二人しかいない同じ一族な上幼馴染だから仲良しになる他ないんだけど、そりゃ皆のサスケ君ですよなんて言って回ってたのに女の幼馴染が居るとは面白くないだろうよ
しかもその幼馴染は周りの大人の反応から見るに叩いてもいい存在だとわかったら尚の事、という奴だ、気持ちがわからんわけでもないが……
うぅん、私は特にイノやらサクラのように気が強いわけでもないし、嵐が過ぎるまで頭を低くしていようか?まぁいうて小学生のいじめだ、そこまで陰湿なモノにはなるまい
とも思ってた時期がありました
私はずぶ濡れでため息をついた、ここは忍者の世界、バケツなんて重くて持てないだろ~と思ったら水遁があったよ、つかアカデミー生で水遁使えんのかよ聞いてねえぞおい……どうしよう、これから授業なんだけど……うーん、家に帰って畳をびちゃびちゃにするのもなぁ
目をつむってオビトのアジトを思い浮かべる、まぁあそこなら多少濡らしても大丈夫だろう、火遁使えるだろうし
「……なんだその格好は」
びちゃびちゃになった私を見てオビトは若干顔をしかめた
「臭うな、風呂場はあっちだ」
そういえばオビトって普段何してるんだろ?暁も本格始動してないし、今が一番忙しい時期だとは思うんだけど
私は手早くシャワーを浴びて上がる、服も濡れてたのでオビトのを拝借した、ぶかぶかで肩からずり落ちてしまう
しっかしまぁ、ここまで来ると少々面倒だ、実害があると誤魔化すのに苦労する
…それが向こうの狙いなんだろうけど……いや、後先考えてないということもあるか、こんなの知れたら学級会は不可避だろうし
……どうすっかなぁ…