第5章 え?スパイになるなら生かしてやる?誰だお前
「起きたか」
声が聞こえて顔を横にやる、色しか認識できていなかったあの時に比べると段違いに良好な視界が広がっていた
私は思わず顔をしかめる
「どうして」
「お前に利用価値があると判断したからだ」
私は起き上がり台から足をぶら下げる、意識を失う前の会話から察するに父親の眼だろうか、微塵も嬉しくないしちゃっかり永遠の万華鏡手に入れてるし、いくら利用価値があるからってそこまでするものなのか?
「瞳術の練習はここで行なえ」
私はオビトを見る
彼はなにか紙の束を持っていて、それを読みあさっていた
「それは?」
「お前には関係のないものだ」
私は目を細め、次に彼の衣装を見た
「その服はなに?」
「これも関係のないものだ」
「本当に?」
彼は手を止めて私を見た
「ああ、もう戻れ」
「……」
目をそらす、私には、利用価値があるらしい
っていうか、暁の衣装なんだから私に関係ないわけなくない?まぁ、S級犯罪者でもなければ戦争孤児でもないしな、私は
しっかし、そこまでして木ノ葉の内情に興味があるとも考えづらい、利用価値だとは言うけど本当に必要なら原作にその立ち位置の人はいるはずだし……居たには居たけど登場するまでもないとか?まぁ、とにかく今は生き残れたことと失明のリスクがなくなったことを喜ぼうか……って、素直に喜べたらどれだけ楽か